今回の記事では韓国留学経験者である筆者の主観を交えながら、韓国留学に成功するための秘訣についてお伝えしていきます。
例えばこんな悩みを持っている人にはお役に立ちます。
- 韓国への留学を漠然と考え始めた人
- 韓国への留学に行くことのメリットについて知りたい人
- 韓国への大学進学について検討している人
- 韓国の大学で何が学べるのか知りたい人
新型コロナウイルスが流行する前まで7年間、韓国で生活しており、語学留学▶大学留学▶ワーホリ▶永住などの資格で滞在していました。現在は韓国語と留学の専門家として活動中。
今回の裏テーマはリアルな韓国留学の実態についてです。
良い面、悪い面も含めて韓国留学のはじめの一歩をわかりやすくお伝えしていきます。
韓国留学に行く人の特徴
まずは言葉の定義から明確にしておきます。
この記事における「韓国留学」とは以下を意味します。
①韓国語を勉強するための語学留学
②韓国の大学・専門学校で学位を取得するための大学留学
③歌、ダンスなどを学ぶK-POP留学
①と②の留学スタイルは昔からあり、一般的にイメージされやすい韓国留学です。
一方で③のK-POP留学は比較的最近現れた留学スタイルになります。
K-POP、ダンス、K-BEAUTYなど、エンタメやコスメなど日本でも人気のある分野で今後も増えることが見込まれますが、今回の記事では省略します。
よって、この記事における韓国留学とは「語学留学」と「大学留学」になります。
では、早速韓国に留学に行っている人、留学に行く人の特徴について見ていきます。
1.韓流・韓国文化に興味がある人
もう説明するまでもないですが、韓国留学に興味を持つ人の大部分は、韓流を始めとする韓国文化に興味のある人です。
留学生同士の最初の会話は「どこから来たの?」ではなく「あなたの推しは誰?」とまことしやかに言われていますが、それくらい影響力があります。
Q.韓国にはどのくらいの外国人留学生がいるの?

出典:韓国教育部HP
上のグラフは韓国の教育部(日本の文科省に相当)の発表している年度別の外国人留学生数です。
現在は新型コロナウイルスの影響で落ち着いていますが、約15万人が韓国に滞在しているようです。
2014年以降に急増しているのが分かりますが、BTSが世界的に話題になり始めた時期とかぶっているのは気のせいでしょうか。
筆者もこの時期、ソウルで日常生活を送っていましたが、出入国管理所(移民局)は常にパンクしていましたし、新村、弘大を歩いていると日本人留学生っぽい集団をよく見かけました。
2.韓国で仕事がしたい人
①の層からさらに進んで「将来韓国で生活したい」「韓国の会社に就職したい」という人も韓国留学に行きます。
韓国関連の仕事というと、通常は貿易関係、空港・免税店など韓国語が活かせる仕事というイメージが強いですが、最近ではマーケティング、エンタメ、IT系の会社に入る人も増えてきました。
例えば、韓国の代表的芸能プロダクションである「JYPエンターテイメント社」(NiziUの所属事務所)やBTSの所属する「HYBE(前身BIGHIT)」なども日本に現地法人を立てていますし、競争は熾烈ですが韓国財閥系の日本法人も韓国語(正確には英語)を活かすことのできる職場だと言えます。
3.韓国(人)とのつながり
韓国にルーツのある人、両親のいずれかが韓国国籍である人などは、昔から韓国で語学留学したり、韓国の大学に留学していました。
最近は韓国人の彼氏(彼女)が出来たり、国際結婚したりする人も増えてきているので、こうした韓国人とのつながりがきっかけで韓国に留学する人も一定数います。
かくいう筆者自身もそのうちの一人です。
韓国留学のメリット
では韓国留学に行くメリットは何か。
代表的なものをいくつか紹介します。
1.学費が安い
欧米諸国に留学するのに比べると、韓国留学は間違いなく学費が安くなります。
ざっくりとした目安を書いておきましょう。
語学留学にかかる学費(10週間_大学附属の語学堂) | 大学留学にかかる学費(1学期_私立文系) |
約15万円〜18万円 | 約30万円〜50万円 |
留学費用には、宿泊費、生活費、渡航費などありますが、やはり一番の比重を占めるのは学費(入学金+授業料)です。
宿泊費や生活費については個人の選択によって大きく変動しますが、学費については大学ごとに決められています。
なので、留学する前にまずは留学先の学費をしっかり把握し、どのくらい予算を立てたらいいのかを決めることが大事です。
2.厳しい競争社会での経験
コロナ前の話ですが、韓国人留学生を採用する日本企業が増えている。そんなニュースを目にする機会が増えました。
これには大きく2つの背景があり
- 韓国での就職難による日本への就職を希望する韓国人学生の増加
- 即戦力を採用したい企業、新卒採用で苦戦している中小企業による需要
要は需要と供給の一致による現象なので、長期的にはどうなるかわかりません。
ただし一般的な傾向として言えることは、韓国の就活戦線は日本人が思う以上に厳しいということです。
例えば履歴書の資格欄に「普通自動車免許」のみだと企業の書類選考に通過することは難しいでしょうし、TOEICのスコア、インターンなどの実務経験、主専攻+副専攻の成績表の評価など、「スペック」を磨くことに全集中しているのが韓国の就活生からよく聞く話です。

もちろん良し悪しがあるとは思いますが、ストイックな大学生活を送りたいという人には向いている環境だと個人的には思います。(筆者自身には向いていませんでした・・)
3.デジタル社会への適応
コロナ禍で特に考えるようになったのが、デジタル社会への適応についてです。
日本社会でも「リモートワーク」「DXの推進」「キャッシュレス」という単語が飛び交うようになりました。
実は普通の日本人が思っている以上に韓国はデジタル化、オンライン化が進んでいます。
身近な例としては、スターバックスのモバイルオーダーを利用された方ならわかると思いますが、お店で行列に並ばなくても注文&決済ができる便利な制度です。
2021年から始まったシステムですが、韓国では同様のサービス「サイレントオーダー」が2014年から導入されています。
これはあくまで一例ですが、韓国で生活していると便利だと思えるサービスに遭遇することもあれば、日本の方がいいなと思う制度もあったりして色々考えるきっかけになると思います。

個人的には銀行でのキャッシュカードや残高証明書が即日発行できたのはすごく便利に感じました。
韓国での留学に成功する人(筆者の主観)
ここからは韓国での留学に成功する人について、筆者の経験をふまえて述べていきます。
かなり個人的な主観が入っており、誰にでも当てはまる内容ではありませんが参考までに。
1.人間関係が築ける人
ここ数年で韓国の大学に在籍している日本人留学生は増え始めているものの、全体でみればまだまだ少数派です。
そんな環境の中、周囲の韓国人、留学生を問わず人間関係を築くことができる人、人脈つくりがうまい人は留学に向いていると思います。
コネ社会と揶揄されることもある韓国社会ですが、思わぬ出会いから就職したり結婚したりというのはよくある話です。
偶然の一言で片付けることは簡単ですが、寮にこもって「YouTube、Netflix」生活をするのは勿体ないです。
コロナの影響で対面接触の機会が減ってしまっているのは事実ですが、留学中の出会いは一生の宝になる可能性があります。
2.主体的に行動できる人
あまり主体的ではない、活発ではないという人も、韓国ではぜひイメチェンしてみてください。
かくいう自分もインドア派で一人の時間を大切にする人間ですが、韓国で留学していた頃は、毎日のように外に出て遊んでいました。
友達に連れられてホンデの夜の街(悪いことはしてません)に出掛けたり、友達と夜中にレンタカーを借りて日帰りでソウルと釜山を往復したりと、日本にいたら絶対しないようなことばかりしていた気がします。
もちろん留学中は遊んでばかりではいられませんが、自ら進んで行動できる人はどこかで必ず得しているものです。
3.韓国式に適応できる人
「郷に入れば郷に従え」という古い言葉を持ち出すまでもなく、外国には外国の文化、習慣がありそのスタイルに従うのが賢い生き方です。
ちなみに韓国語では「ローマではローマの法に従え」と表現します。
韓国のスタイルに適応できる人、適応が難しい人はやはり存在します。
食事、人間関係、ゴミ出しルール、交通機関、その他環境など日本と異なる部分は複数あり、ときにはストレスに感じることもあります。
ここで一つ強調しておきたいのは、慣れない外国での生活にストレスを感じない人のほうが稀だということです。
「韓国での生活が嫌だ」「日本に帰りたい」というのは留学生であれば一度や二度は経験したことがあるものだと思います。
ただ大事なのは、そうした経験と今後どう向き合っていくのかではないでしょうか。
比較して優劣をつけることは誰でもできます。
ですが、外国で留学するということは、常識的な判断や考え、価値観といった偏見を捨て去り、新たな自分を発見する旅でもあるということを忘れないでほしいと思います。
留学する目的は人それぞれですが、後で振り返ってみたとき「別に韓国に留学に行かなくてもよかったのでは」と思わないためにも、事前準備をしっかりとすることが大切です。
おわりに
韓国留学はすごく楽しかったので個人的にはおすすめしています。
ただ誰もが留学に行く必要はないと思いますし、ましてや強制的に行かされるものでもないと思います。
留学に行くきっかけは人それぞれですが、韓国に留学すると決めた以上、事前準備は必須です。
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韓国語講師&留学カウンセラー【経歴】大学院卒(修士)▶ソウルにある大学に留学▶韓国で日本語教師▶永住権を取得し帰国▶現職。【韓国留学経験】超円高時代(最大1円=16ウォン)だったこともあり学生時代には5つの語学堂に通ったことがあります。
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